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社会総がかりで作るこれからの教育 キャリア教育編
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高まるキャリア教育への期待。
キャリア教育には、
キャリア教育コーディネーターの活用を。

近年、若者を取り巻く環境は大きく変化しています。激しい競争にさらされる企業は、若者に高いスキル・能力を求めます。一方、地域との交流が薄れ、核家族化が進む中、地域や家庭で揉まれて社会で生きる力を身につけるという機会は少なくなっています。
こうした状況を背景に、若者の学校から社会・職場へのスムーズな移行は大きな社会問題となっており、それらに対応するため、「キャリア教育」への期待が高まっているのです。

キャリア教育コーディネーターに託された役割

キャリア教育とは

 キャリア教育は、社会や職場で自立して活躍するために必要な能力や態度をはぐくむ教育であり、小中学校等の早い時期から社会とのつながりを視野に入れて取り組むべき教育です。地域の「本物」「生きた素材」に触れ、子供たちは体験を通して学びます。
 しかし、そのようなキャリア教育を学校だけで行うことは、多忙な教員には負担が大きいことも事実です。そこで、学校の現状を理解し、その目的に応じた地域の教育資源を探して学校とつなげる人、「キャリア教育コーディネーター」の存在がクローズアップされています。時には、授業計画、授業運営などもサポートする心強い存在です。
 本来、教育には、何らかのキャリア教育の要素が入っています。総合的な学習の時間、特別活動、道徳のみならず、理科の実験、国語の表現など教科教育、遠足、部活動など、すべての教育活動でキャリア教育は可能です。しかし、そのことが認識されていないことも多く、そのような場合、キャリア教育コーディネーターは、どの教育活動でどのようなキャリア教育が可能かを、学校にアドバイスする役目も担います。
 平成14年に総合的な学習の時間が導入され、また平成17年以降、中学校の職場体験が普及するにつれ、学校は地域や社会に開かれてきました。しかし、地域や社会を巻き込んだキャリア教育はまだ発展途上です。地域も人材育成を担う認識は十分ではなく、学校のニーズにも必ずしも明確とは言えません。だからこそ、キャリア教育の啓発を行い、地域や社会の教育資源を学校と結ぶ、キャリア教育コーディネーターの役割に期待がかかるのです。

キャリア教育コーディネーターの活躍が期待される場

地域連携のネットワークにおいて

 教育委員会の中で、地域連携を推進しているのは、主に生涯学習や社会教育の部門です。地域の産業を盛り立てるべく、子供や学校に対して地域の教育資源を活用したサービスを考えている商工会議所もあります。各地域の商店会組合が、産業や仕事についての授業を持つケースもあります。また地域の教育コーディネートを専業とするNPOや企業があります。こうした組織や団体が、学校と地域をつなぐ存在としてキャリア教育コーディネーターを雇用したり、業務契約を結んだりしています。

各学校の担当として

 個々の学校に対する多様な支援を地域で行うため、文部科学省は、小中校や中学校区に「学校支援地域本部」を設置し、そこに「地域コーディネーター」を配置する事業を進めています。その地域コーディネーターがキャリア教育コーディネーター業務まで行う自治体もあります。また、キャリア教育コーディネーターが、地域コーディネーターのスキルアップのためにアドバイザリー機能を持ったり、研修会を行ったりしている自治体もあります。
 大学でも、就職指導や人材育成が切実な課題になるとともに、大学設置基準にキャリアガイダンスの実施が義務付けられたこともあり、キャリア教育コーディネーターを配置する可能性もあります。また、個人や企業が、ボランティアとして地元の学校をサポートすることも考えられます。

企業の教育支援活動のサポート

 企業が、教育を支援するケースが年々増えています。平成23年3月に行われた、企業の教育支援の大賞を選ぶ経済産業省「キャリア教育アワード」には、第1回目の開催にもかかわらず、70団体がエントリーしており、キャリア教育に対する企業の関心の高まりがわかります。企業の教育資源を引き出し、実際に学校で活用できるキャリア教育プログラムにつくりあげるには専門性が必要です。企業コンサルタントや企業内でCSR(企業の社会的責任)を担当する部署などでも、キャリア教育コーディネーターの力が発揮できるでしょう。

国の政策として

 経済産業省では、産業振興の立場から、学校を支援していくキャリア教育コーディネーターの必要性を考え、平成17年度からは「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト事業」を、平成20年度からは「キャリア教育民間コーディネーター育成・評価システム開発事業」をそれぞれ実施、キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会をつくり、その協議会による認定制度を設けました。
 文部科学省国立教育政策研究所は、教育委員会向け小冊子『キャリア教育の更なる充実のために』(平成23年2月)で、本サイトでも紹介する横須賀市の例も挙げ、教育委員会と地域の関係機関の連携を進めるための“協議会”の必要性を指摘。さらに文部科学省「キャリア教育における外部人材活用に関する調査研究協力者会議」(平成23年7月中間とりまとめ)では、全国レベルの“キャリア教育コンソーシアム”を設置することへの期待を述べています。そうなれば連携の鍵となるキャリア教育コーディネーターの活用が十分予想されます。厚生労働省も「キャリアコンサルティング技能士」などを対象に、中学・高校のキャリア教育を担っていくための研修会を始めています。

認定キャリア教育コーディネーターを目指そう

 平成23年6月には初めて協議会認定の「キャリア教育コーディネーター認定試験」が初めて行われ、全国約100人の「認定キャリア教育コーディネーター」が誕生しました。今後ますます様々な側面から必要とされる存在となります。キャリア教育コーディネーターが、学校のキャリア教育ニーズを掘り起し、地域・社会の教育資源のネットワークをつくり、子供たちに学ぶ場を提供することが、教育も日本も変える大きな力になると期待されているのです。

本サイトは、経済産業省のキャリア教育事業の一環で作成した「わくわくキャッチ!」の独自コーナーとして、
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