みちのり
中学生のボク
映画「スターウォーズ」と「2001年宇宙の旅」をきっかけに映画に夢中になりました。セリフが英語で収録されているレコードを何十回も聴(き)いて暗記するうちに、英語も好きになりました。
高校へ
数学よりも国語や英語の方が成績は良かったけど、科学が大好きだったので理系の大学に行こうと思っていました。TV科学番組『コスモス』や『エデンの恐竜』『進化とは何か』という本に刺激を受け、このころに自分の価値観や世界観が固まった気がします。予備校の先生の影響で文化人類学にも興味を持ちました。
大学から就職へ
科学や工学はおもしろかったけど、何を専門にやりたいのかは自分でもよく分からず、天文部とテニスサークルに熱中。大学院に進むか就職するか、ぎりぎりまで迷いましたが、思い切って就職することに。入社後はカメラ関係のレンズ設計部門に配属されました。
転機
入社3年目に突然、人工衛星に搭載(とうさい)する特注品の望遠鏡の開発チームに。設計だけでなく、部品の組み立て、性能試験、お客様への説明や出荷の準備まで自分たちでしなければならず、大変でしたが勉強になりました。
夢
現在開発しているすばる望遠鏡機能アップ用の光学機器が完成して、期待通りの性能が発揮されること。自分の子供がもう少し大きくなった時に、パパはこんないい仕事をしたよ、と見せてあげられること。自家用飛行機操縦ライセンスを取ること。上高地から日本海まで北アルプスを縦走して歩くこと。
好きなものはいろいろあった。宇宙もそうだった。
「実は、好きなものがいろいろあって、ずっとなりたいものが決められなかったんです」
と松田さんは言います。ただ、宇宙には小さいころから興味があったそうです。
「現象を見るということで理科は好きでしたが、成績は数学や理科より英語や国語の方が良かったくらいでした。予備校の先生の影響で、人々の生活や文化から人間の多様性や共通性を考える『文化人類学』という学問に興味を持ったこともありました。それでもやはり科学が好きだったので、大学は工学部に入りました」
「大学に入ってからも、燃焼や機械などおもしろい分野がたくさんあって、『これにしよう』というものがなかなか決められず、所属する研究室もじゃんけんで決めたほどでした。就職先にキヤノンを選んだのは、カメラのイメージから、おもしろそうだと感じたからです」
会社に入ってから見つけた「本当にやりたいこと」
入社後は、カメラレンズの設計を担当していました。
「大学での専門とは違っていても、ひとつのことを研究する手順は、テーマに関係なく似たところがあるんです」
そして入社3年目。「光学の設計や試作品レンズの測定をするうちに、そのおもしろさを感じ、この分野を自分の専門にしたいと考えるようになっていた」という松田さんに転機が訪れました。人工衛星や天文台で使用する特注品の望遠鏡を作るチームに入ったのです。
「子どものころから好きだった宇宙や地球を探査する仕事にかかわれるなんて、運がよかったです。いつも興味のあることに目を向け、納得いくまで調べてみる、考えてみる、やってみることが大切。そういった経験が積み重なって、自分のやりたいことが見えてきたり、出会えたりするんでしょうね。会社には、大学で勉強したこととは全く違う仕事にたずさわって、その道の第一人者になる人も大勢います。自分が本当に何をしたいのかを発見するには、いろいろな仕事を見たり体験したりすることも大切だと思います」
数学・理科の思い出
やはり光がおもしろいです。薬品を混ぜると科学反応で色が変わったり、金属を燃やすと花火と同じ炎色反応で様々な色の光が出る。一番衝撃を受けたのは、分子や原子の話。世の中のすべての物質が、目には見えない小さな原子からできていると聞いて、世界が違って見えた気がしました。
わたしのハッ!と体験
高校生の時、アメリカの天文学者カール・セーガンが作った『コスモス(宇宙)』というテレビ番組を見て、宇宙、進化、哲学、脳科学などに興味を持つようになりました。「科学は人類の運命を決定づけるものだ」という彼の言葉が印象的でした。たとえすぐに役に立たなくても、数十年後に何億人もの人を救うようなことだってあるから、科学・技術の進歩は人類にとって大切なことなんだと感じました。
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