どうしてこの道に?

みちのり

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中学生のワタシ

理科で気象のことを習った時にやった、ラジオの天気概況を聞いて天気図を書くのが好きでした。さまざまな土地の天気や、季節の移り変わりを想像するのが楽しかったです。

高校へ

いろいろな国の神話に興味を持ち、「人間はどのように生まれたか」について読み比べていました。進路指導の先生から、「女性は物理学には向いていない」と言われましたが、どうしてもあきらめられず、1人で物理の勉強をしました。

大学から大学院へ

理学部物理学科へ入学。大学入学したばかりのころ先生に、「ホントに女の子が物理をやるの?」と言われて軽くショックを受けました。友達に誘われて、フラクタルの研究会に入ったのが、今の研究につながる全ての始まりでした。大学院時代に一時期アメリカの大学で研究していたことがありました。このとき、フラクタルの学問分野を作ったフランスの統計学者ベノワ・マンデルブロ博士と直接研究を議論する機会があったことで、これからは学問分野を超えた研究の広がりが大切であることを学ぶことができました。

研究者へ

大学院を卒業して日本学術振興会の特別研究員になり、お給料をもらって自分の研究ができるようになりました。その後、慶應義塾大学助手、公立はこだて未来大学准教授を経て現職へ。公立はこだて未来大学時代には、小1と小5の2人の子どもと夫を東京に残して、単身赴任しました。

コンピュータの発達によって、個々の人間の行動は社会の中でたくさん記録が残されるようになりました。これらのデータから法則を探し、その法則を説明する数理モデルが確立したら、人間の集団的なふるまいの予測ができるようになります。私が想像する未来は、この技術が当たり前のように社会の中に応用され、パニックや経済危機などを回避することができる、安心で安全な社会です。

物理学が好き。でも…

アインシュタイン、キュリー夫人ら偉大な物理学者の集まったソルベー会議の記念写真。高安先生のお気に入りで、机の隣に飾られています。

物理学が好き。でも…

小学生の時、父親の仕事の関係で2年間イギリスの学校に通っていた高安さんは、イギリスにいる時も、日本に帰って来てからも、まわりの人との言葉や考え方の違いを感じ続けたといいます。そんな時、興味を持ったのが自然科学の世界。
「世界中のどこでも同じ式や法則が成り立つという普遍(ふへん)的な性質にひかれました。特に、自然界の物質や現象から法則を導き出す物理学に興味を持ちました」

ところが、「大学で物理学を勉強したい」という高安さんの希望は、まわりの人の反対にあいます。
「高校の先生からは、『女子が物理学を勉強しても、将来の進路をせばめるばかりだからやめた方がいい』と言われました。父も『物理の女性研究者で成功した人はほとんどいないから、きびしい道だよ』と。それでもあきらめられなかったので、大学受験のための物理の勉強は独学でやりました」

大学1年生で、最先端の学問に出会った

世界的な数学者の広中平祐先生(左)と高安さん(中)。大学時代に「第5回数理の翼セミナー」(韓国・ソウルにて)に参加した時。

大学1年生で、最先端の学問に出会った

大学で、現在の研究テーマに出合ったのは偶然でした。
「私の大学には“自主ゼミ”といって、学生が自分たちで興味のある論文を読んだり、テーマを決めて議論したりする、いろいろなグループがありました。学年や学部に関係なく、興味がある人はだれでも参加できるのですが、友だちが『教科書もないくらい、新しい科学分野の自主ゼミがあるんだって。おもしろそうだから行ってみよう』と誘ってくれました。これが『フラクタル』の研究会。大学1年生の時でした」

新しい学問ってどんなものだろう、という興味だけで飛び込んだこの自主ゼミ。まさに生まれたての学問の最先端の議論に、高校を卒業したばかりの高安さんも参加することができたのです。その後、同じ分野の研究者と結婚し、その後も研究を続けました。

「私ひとりだったら、2人の子供の子育てを通して、自分の研究をずっと続けることは難しかったかもしれません。でも、良いパートナーを得て、研究も子育てもいっしょにできたので、自分がやりたいことを続けることができました」

数学・理科の思い出

幼い頃テレビで見た、アポロ11号の月面着陸が忘れられず、中学生のときにお年玉とお小遣いをはたいて7万円もする反射望遠鏡を購入。月を拡大するといろいろな大きさのクレーターがはっきりと見え、肉眼でふつうに見る月面とは全く違うことに感激しました。そうなるともっといろいろ観測したくなって、自動制御で動かせるようにしたり、倍率を上げたりと、天文雑誌を購入してのめりこみました。

わたしのハッ!と体験

小学校3年生から5年生まで、父の仕事の関係でイギリスのいなか町に住んでいました。日本人学校もないので、いきなり現地の小学校へ。英語はわからないし、友達とは考え方も違うし、自分がまるで宇宙人になったような気持ちになりました。帰国して日本の学校へ戻ってみたら、今度は、他の子が読める漢字が読めない、ちょっとした言葉がわからない…自分って何だろう、と考えさせられました。その頃から、国や言葉を超えて、どこでも通用するものに興味を持つようになりました。物理学を選んだのも、この気持ちが原点にあったと思います。

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