どんな仕事?

青いバラはこうやって作る

青いバラはこうやって作る

1: バラの無菌苗をつくり、試験管の中で培養して増やす。
2: 培養条件(培地中の栄養分や植物ホルモンの濃度など)を変えて、バラの無菌苗の葉からカルス(葉っぱでも茎でもない未分化な細胞のかたまり)を取り出す。
3: カルスをさらに培養して増やす。
4: 青い花から取り出した青い色素を作る遺伝子をアグロバクテリウムの中に入れる。
5: バラのカルスに「アグロバクテリウム法(アグロバクテリウムの培養液とバラの細胞を混ぜて感染させる)」で遺伝子を入れる。
6: 遺伝子の入った細胞を選抜しながら、ひたすら培養する。
7: 培養条件を変えて、選抜した細胞から葉っぱや茎を出させる。
8: さらに培養条件を変えて、葉っぱや茎から根を出させる。
9: 試験管から出して、温室で栽培する。ここからは、普通のバラの育て方と同じ。
10: 花が咲いたら色素の表れ方を分析・評価する。

「遺伝子を入れる」操作そのものは、アグロバクテリウムの培養液とバラの細胞を混ぜて感染させるだけなので、半日もあれば終わりますが、遺伝子を入れられる状態のバラの細胞を準備するまでの期間(1〜3)と、バラに遺伝子を入れてから花が咲いて結果がわかるまで(4〜9)に、それぞれ1年くらいは必要です。

もっと美しい青色をめざして

もっと美しい青色をめざして

苗から花を咲かせるまでの手順は、ふつうのバラの育て方と同じ。「遺伝子組換え」というと、何かすごく特殊な作業を、実験室の中だけでやっているように思われるかもしれませんが、基本的な作業はふつうの農業と同じです。ただし、遺伝子組換え植物を育てるための設備、植物の保管・運搬・廃棄の方法などは、法律でルールが細かく決められています。

青いバラの開発は、まだすべて終了したわけではなく、これからもっと青さにみがきをかけていきます。目標は、イギリスの国旗の青い色。
「もっともっと青さを追求すると同時に、お客様のいろいろな好みにお答えできるよう、種類のバリエーションも増やしていくことが目標です」

1日のタイムスケジュール

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お仕事豆知識

飲料メーカーが生み出す、ガーデニングのヒット作

青いカーネーション「ムーンダスト」(写真提供:サントリーホールディングス株式会社)

お酒やソフトドリンクなどをつくるサントリーが、花の研究に取り組み始めたのは1980年代。花とお酒は、毎日の生活に潤いをもたらす「嗜好品(しこうひん)」である点が共通しています。また、お酒づくりにはブドウや大麦などの植物を使うので、これまで培われてきた栽培技術、バイオ技術を生かすこともできます。サントリーが開発した花の中でも、ペチュニアの改良種のサフィニアは、ガーデニングのブームに乗って、国内だけでなく海外でも人気があります。

青いバラの開発の途中で、青いカーネーションが誕生しました。カーネーションにも青い花はなかったのです。
「バラと同じ方法でやっていたのですが、カーネーションは草花なので遺伝子も入れやすく、早く結果が出ました。バラは10年以上成果が出なかったので、青いカーネーションが咲いたときは嬉しかったです。いまでは『ムーンダスト』という名前でお店で販売しています」

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