中高生が使いたくなるシャープペンシルをめざせ!
井澤さんの仕事は、シャープペンシルの構造や部品を考え、それを設計・開発することです。クルトガは、設計・開発を担当する人、商品のデザインを考える人、そして、今はどんな人にどんなものがよく売れているかを調べるマーケティングの人という、3つの分野のスタッフがチームとなって、意見を出し合いながら開発を進めました。
まず始めに井澤さんたち設計・開発スタッフが、芯が回る新しいタイプのシャープペンシルのアイデアを提案しました。それに対してマーケティングのスタッフが、「だれに」「いくらで」「どんな宣伝をして」など売り方を考え、「シャープペンシルをいちばんよく使う中高生を対象に。おこづかいで買いやすい500円以内で。メカ好きな男子にも、カワイイものが好きな女子にもウケるデザインにする」と決められました。そして次に、これにそったデザインを、デザイナーが考えました。
「設計・開発」「マーケティング」「デザイン」のスタッフが一体となったからできたヒット商品
「芯が回る機能が見えるように、透明の窓をつけたらどうか」、「アンケート調査では予想以上に女性に人気があるから、もっとかわいらしいデザインにしたい」、「持ち帰ってみんなに見せたくなるようなパンフレットを作ったらどうか」…。各分野のスタッフが何度も会議をして、意見をぶつけ合いながら完成度を高めました。
「芯が回るっていうのはすごいことなんだけど、それがどうすごいかは伝えにくいよね、というのが設計チームの悩みでした。それを、マーケティングの人がどうしたら伝わるかを調べてくれて、デザイナーが形にしてくれたから、こんなにヒットしたんだと思います。ただ作ってお店に置いておくだけだったら、こんなにみんなに受け入れてもらえなかったろうな、とすごく感じますね」
1日のタイムスケジュール
お仕事豆知識
「書く文化」を楽しくする、さまざまな筆記用具を開発
『uni(ユニ)』というブランド名で知られる三菱鉛筆は、鉛筆やシャープペンシル、ボールペン、サインペンなどの筆記用具や文房具を中心に、さまざまな商品を開発しています。特に筆記用具は、アジア、欧米、中東、アフリカなど世界中で販売されています。『クルトガ』以外にも数々のヒット商品がありますが、持つ部分がジェル状になったシャープペンシル『uni α-gel(ユニ アルファゲル)』などは、皆さんもよく知っている商品でしょう。またインクの質を変えることで、軽いタッチで濃く書けるようにした油性ボールペン『ジェットストリーム』は、全世界で約1億本を売り上げる大ヒット商品になりました。
自分の手で書くこと、描くことは、人間が知的なことを考え、生み出していく上で大切な行為です。パソコンを使って文章をつくったり、絵を描いたりすることが多くなりましたが、“かく”という文化をもっと便利に、もっと楽しくするために、筆記具メーカーの開発は続きます。
しごと傾向グラフを作ろう!
サイトを見て回って、気になった仕事をチェックしてみよう。自分の傾向をグラフ化して見ることができるよ!
あなたのお仕事の傾向