どんな仕事?

企画を立てて、設計図を描いて…でも、そこで終わりではない!

企画を立てて、設計図を描いて…でも、そこで終わりではない!

赤松さんの仕事は、主に建物の外観や内部のデザイン(意匠(いしょう))をすることですが、設計にはこのほかに、建物の強度や安全性を考える「構造」、上下水道や空調(冷暖房)を考える「設備」、電気の配線を考える「電気」の事務所の設計者が加わります。場合によっては、照明や音響、家具の専門家なども入って、共同で作業を進めることもあります。

仕事の流れとしては、まず、さまざまな制約や条件を考え合わせながら、その中で可能な限り魅力的な建築物を企画します。それが認められると、おおよそのプランを確定する「基本設計」の図面を描きます。その後、工事にかかる金額を見積もるための「実施設計」をします。ここでは、コンセントからカーテンレールまで、建物のすべてをのせたミリ単位の図面を、構造・設備などそれぞれ専門の設計者も加わって描くので、設計図はものすごい量になります。この図面をもとに、建物を実際に造る施工(せこう)会社が「全部で●●円かかります」と金額を示して、それが了承されると、いよいよ工事の始まりです。でも、赤松さんたちの仕事はここで終わりではありません。

現場監理も大切な仕事。時には現場近くに住みこむことも

現場監理も大切な仕事。時には現場近くに住みこむことも

建物を建てるための図面(施工図)は、現場に入ってから実際に工事を行う施工者が描きます。施工図が赤松さんたちの意図通りに描かれているか、工事のでき具合はどうかを現場でチェックしていく「現場監理」も、建築士の大切な仕事なのです。現場では設計通りにいかないことも起きてしまいます。時には建築士も現場近くに住みこんで、施工者と議論を繰り返し、ものすごい量の書類をやりとりしながら、完成(竣工(しゅんこう))に至ります。

「オーケストラの指揮者」として

赤松さんの事務所内の様子

「オーケストラの指揮者」として

「建築は、場所の条件、注文した人、使う人、法律、予算など、あらゆることに気を配らなければなりません。注文した人の希望に応えながら新しいものを提案していくには、1つ1つをていねいに議論しながら、『なぜこれがいいと思っているか』『なぜこれはダメなのか』ということを、図面や模型、言葉で伝えていかなければいけないのです。関わる人がものすごく多い仕事なので、人とうまくコミュニケーションをとることが大事です。現場では職人さんたちに、『なぜこうなっているのか』をきちんと説明できないと、本気で仕事をしてもらえません。でも逆に、こちらの意図と熱意が伝わると、とてもいい仕事をしてもらえるんです。本当にオーケストラの指揮者と同じだなあ、と思います」

1日のタイムスケジュール

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お仕事豆知識

建築士になるには

建築士になるまで
(「東京建築士会」サイトより一部転載)

「建築士」は、医師や税理士などと同じように、国が実施する試験に合格すると与えられる国家資格で、一級・二級・木造の3種類があります。二級建築士や木造建築士が建築設計・工事監理できる建築物の規模には制限がありますが、一級建築士になると、学校、高層ビル、ドーム球場と、あらゆる建築ができます。

二級建築士や木造建築士になるための試験は、大学(建築学科)・高専(建設系指定学科)を卒業すればすぐに受験できます。大学では、美術系や家政学部などで受験資格が得られるところもあります。しかし、工業高校(建築系)卒業生は3年、大学、高専の土木科卒業なら1年以上の実務経験が必要です。また、学歴がなくても、7年以上の実務経験(建築関係の仕事をした経験)があれば受験できます。

より上級の一級建築士になるには、さらに実務経験が必要です。一級建築士試験は、合格率10%程度という、とても厳しいものです。設計や監理のミスが、多くの人の命に直結する仕事だからです。

お仕事ルポ

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★お仕事の流れ
誰が使う建物か、どこに建てるのか、また施主さんはどんな建物を建てたいのか、などの条件のなかで、できる限り魅力的な建物を「企画」します。

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「企画」が承認されると、平面図や断面図を出して、およそのプランを決めます(=「基本設計」)。

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途中で、このような模型を作り、細部までイメージを固めこみます。

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工事に入ると、工事がきちっとなされているかチェックするという「現場監理」という仕事もこなします。

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完成に近づいてもチェックすることはたくさんあります。設備やデザインのチェックを行っています。(写真提供:株式会社シーラカンス アンド アソシエイツ)

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完成すると発表会をすることもあります。(写真提供:株式会社シーラカンス アンド アソシエイツ)

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