免疫のしくみを利用して、副作用の少ない薬つくり
病気になったりケガをしたら、まず「薬を! 」ではないですか? いま私たちが使っている薬の多くは化学物質でできていて、病気やケガで悪くなった細胞に働いて、症状をおさえるように働きます。でも最近では、化学物質ではない薬の開発が盛んになっています。
人間の身体には、体内に入ってきたバイ菌やウイルスから身体を守ろうとするしくみ(免疫(めんえき))が、生まれつきそなわっています。この免疫を利用して作られる薬が「抗体医薬」で、ガンやぜんそく、花粉症のようなアレルギーなど、今まで治療が難しかった病気にも効く薬として、注目されているのです。
今までよりもたくさんの人の命を救える、遺伝子組み換えの技術
ウイルスなどが身体のなかに入ると、免疫のしくみによって「抗体」というタンパク質が作られ、ウイルスなどを退治するように働きます。インフルエンザなどのワクチンは、この抗体の働きを病気の予防に役立てているわけです。抗体医薬は、動物の細胞を使って、この抗体を遺伝子組み換(か)えの技術で人工的に作って薬にするのです。抗体は、体内にある病気の原因となっている細胞だけをねらって働くので、正常な他の細胞を傷つけません。そのため、化学物質の薬より副作用が少ないのが特徴(とくちょう)です。今や世界中の製薬会社が、抗体医薬の開発の競争をしています。
しかし、抗体医薬の最大の問題点は値段がとても高いこと。治療に一年で数百万円の薬代がかかることもあります。ところが、協和発酵キリンでは、この抗体の効きめを100倍も強くする技術を開発したのです。効きめが強いということは、病気が治りやすくなるだけでなく、薬の量も減らせるので薬代が安くてすみます。今までより多くの人の命を救うことができるのです。
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