この悔しさを乗り越え、若い力で明るい未来を

奈良 宏一   福島工業高等専門学校
電力システム工学 /研究領域:電力系統運用・計画最適化、配電自動化、分散型電源 ]

大震災で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
平成23年3月11日、会議中のことでした。緊急地震速報の警報と共に小さな縦揺れの後、震度6強の激しい大きな横揺れが数分間続きました。日本で記録された地震では最大のマグニチュード9という大きな地震でした。この地震に起因した大津波は、場所によっては15mを超える想像を絶するもので、現場で見たそれらの爪痕(つめあと)は筆舌に尽くし難いものでした。

この地震と津波によって、福島第一原子力発電所で、冷却機能を完全に喪失(そうしつ)する大事故が発生しました。そのため、福島県では、地震、津波に加えて放射線被害があり、筆者が勤める福島工業高等専門学校では、原発事故による避難まで含めると、学生のおよそ1/4が自宅を失うなどの被害を受けています。

日本は地震国であり、地震に対する備えはふだんから出来ていたはずです。しかし、大地震に対する備えが不十分な部分では、なすすべが無かったのが現実です。我々の経験と想像をはるかに超えた自然の猛威(もうい)にただ驚くしかありませんでした。原発事故では、日本の技術力と危機管理の徹底をもってすれば防ぐことができたかもしれない災禍(さいか)を目の当たりにして、私自身、電力システム技術を専門とする研究者として、自らの無力さを思い知らされました。いま、悔(くや)しさを噛(か)みしめています。

若い諸君は、今回のこの苛酷(かこく)な経験と教訓を忘れずに記憶し、同じ悲劇を繰り返さないように、将来の仕事を通じて社会に活かしていただければと思います。今、中学校や高等学校で学ぶ皆さんには、日本の明るい未来を若い力で創造できるように、基礎学力を養って下さい。どのような専門分野に進むにせよ、いま学んでいる基礎学力を基に専門分野を深く勉強しなければ、困難な場面で自らの専門を人類社会に役立てることができません。皆さんの努力と挑戦に期待しています。

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なら・こういち/1945年北海道生まれ。
電力システム及び配電システムの計画・運用最適化に関する研究。分散型電源や電力貯蔵装置を駆使した災害時対応も可能な新しい電力流通システムを提案してきている。

被災された生徒・先生方へ

この大震災で、東日本の広い範囲に大きな被害がありましたが、この苦境を乗り越えて、災害に強い新しい日本を創成すべく努力しましょう。若い力に期待します。

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