今こそ勉学を~夢を捨てず、がむしゃらに学ぼう

遠山 文雄   東海大学 名誉教授
宇宙工学 /研究領域:地球電磁気学、磁力計工学 ]

私は仙台市で生まれ、四半世紀を仙台で過ごしました。私が高校生だった1960年、はるか日本の裏側で起きたチリ地震による津波が22時間もかかって三陸海岸を襲い142人が犠牲になったのです。この時ほど自然の威力の巨大さを痛感したことはありません。また、ハワイのキラウエア山や三原山、普賢岳などの火山噴火で、真っ赤な溶岩をテレビで見ると、地球の底をのぞいているようです。まさに自然現象の巨大さに畏怖(いふ)の念を抱くと同時に、地球の未知なるがゆえの大きな魅力を感じてきました。自然科学に魅せられて、大学では地球物理学を専攻し、広く宇宙科学の研究教育に携わってきました。

1983年、秋田県沖の日本海を震源とする地震で大津波が押し寄せ、100人以上の犠牲者を出した日本海中部地震が起こりました。私はちょうど磁力計を使った地震域のリモートセンシング観測をしていた頃で、早速現地での気球観測を行いました。津波に会った人の話をつぶさに聞き、改めてその恐ろしさを知りました。自然のエネルギーに比べたら何と人間の技術が小さなことか!

大きな災害と日本経済の低迷した今、皆さんの将来の不安を払拭(ふっしょく)するためには、これまで持ち続けた夢、理想、あこがれを捨てず、その実現のために目の前にある勉学に努力することです。自分の道に迷っている人は、様々な分野に興味を持ち、書物を読むことが大事です。どんな分野の学問でも将来役に立たないことはありません。人は必ずどこかで、がむしゃらに頑張る時期があるはずです。なければならないのです。それが中高生の皆さんにとっては、まさに今ではないかと思うのです。私も一番必死になっていた頃はやはり高校時代でしたし、その時が最も充実していた時期でした。

東日本の大災害や原発事故で大きな試練を課されている今、中高校生の時にこそ、自分の夢の実現に向かって一歩でも踏み出せば、将来の進路を照らす希望の光が見いだせると信じます。

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とおやま・ふみお/1942年宮城県生まれ。
地球に対する不思議さや自然現象に興味を持ち、地球物理学の道に進んだ。仕事では、ロケット・人工衛星を用いて、地球周辺の電磁現象の観測解明や地震域の地下構造の観測を行ってきた。中高生時代は陸上部のクラブ活動と受験勉強にエネルギーを費やしたという印象が強い。趣味は山歩き、鉄道ファン。

被災された生徒・先生方へ

地震・津波や原発事故に対する日本の防災科学技術がこれほど無力でお粗末だったことにショックを覚えています。今後の災害から科学的に救うために、地球物理学や原子力工学や防災科学の研究発展を願っています。そのために、諸君がこの分野に興味を持ち、先生方も一人でも多くの生徒さんがこれらの分野に興味を持つよう、啓蒙(けいもう)していただきたいと願っています。

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