楽しく学ぼう~知的好奇心に火をつけて

石川 勉   千葉大学 薬学部
創薬化学 /研究領域:有機化学 ]

学問とは、何でしょう。何のために勉強をするのでしょうか?福沢諭吉が「学問のすすめ」を唱(とな)えたことは有名ですね。もちろん、人として社会生活を送るために実用的観点から学ぶことは必要です。そしてサイエンス分野では、その学びの結果が生活の改善(便利さ)につながってきました。しかし、それだけでしょうか?人は、元来知的好奇心が旺盛(おうせい)で、学ぶことに興味を持っているはずです。それを満たすのが学問の原点ではないでしょうか?

私は、現在薬学の世界に身を置いていますが、高校時代の薬学のイメージはかなり漠然(ばくぜん)としたものでした。大学に入り、薬学が対象とする「くすり」は、化学や生物や物理などの知識が総合的に凝縮された完成度の高いものであることを学びましたが、自分の方向性を有機化学とすることに決めました。

そのきっかけは、極めて個性が強くかつ実験や研究に厳しい先生との出会いでした。当時は反発もありましたが、今ではその環境で学べたことにとても感謝しています。また、学びの延長で経験したイギリスでの留学生活は、その後の人生に大きな影響を与えました。今も学びの連続で、「いつかくすりを薬品製造学研究室から」を合言葉に、学生さんに学ぶ楽しさを伝えるとともに、一緒になって問題解決に取組み、結果として社会に何らかの貢献が出来ればと願って研究をしています。

今回の大震災および原発事故では、私達はあらゆる面で大変なダメージを受けました。しかし、このような時だからこそ、若い君達の知的好奇心に火を点(つ)けてしっかりと学んで下さい。自分の興味あることで構いません。それだと苦にならずに学べるでしょう。それらの英知が集まれば、必ずや、自然との共生を軸にした輝ける日本の未来構築につながります。それを信じて、どうぞ邁進(まいしん)して下さい。君達に期待しています。

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いしかわ・つとむ/1949年神奈川県生まれ。
くすりの種となるような薬理活性リード化合物の合成、発見、最適化などの創薬化学を指向した研究に加え、「何故こんな反応が、そしてこれは新しく応用出来ないだろうか?」というような純学問的な研究にも挑戦しています。

被災された生徒・先生方へ

被災されたみなさんには、かける言葉が見つかりません。さぞ、無念さで一杯のことと思います。しかし、日本だけでなく世界中の人たちが応援しています。大変ですが、どうぞ前向きに一歩ずつ踏み進んで下さい。必ず、立ち直れます。

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