ダーウィンが見たことを琉球で見、役立てる

伊澤 雅子   琉球大学 理学部 海洋自然科学科
動物生態学 /研究領域:哺乳類、動物の社会構造、環境利用 ]

大変な3月になってしまいました。日本中が大きなショックを受け、精神的に落ち着かない日々が続いています。私のいる沖縄は幸い直接の影響は受けず、卒業式も行うことができました。卒業生にお話ししたことは、「被災地の皆さんが自身の生活を立て直されている間、私たちには日本の社会や経済、文化、学問、教育を支えて行く大きな責任がある。被災地の人たちがいつでも元の生活に帰って来れるようにしなくてはいけない」ということでした。

私は野生動物の生態を研究しています。子供の時から動物が好きでファーブル昆虫記を何度も読み、アフリカにも憧(あこが)れました。高校時代の夢は動物学者になってアフリカに行くことでした。同じアフリカを目指す友人は、国際線のスチュワーデスになってアフリカに行くのが夢でした。残念ながら彼女のフライトには乗れませんでしたが、私たちはそれぞれアフリカに行くことができました。

ありきたりの言葉ですが、夢は叶(かな)います。今はいろいろな動物に興味がありますが、特にヤマネコやオオコウモリなどの陸上の哺乳類を対象としています。動物が環境や資源をうまく利用して、お互いに分け合って、子どもを育てて、生活しているやり方が研究テーマです。これは今地球にいるさまざまな動物がどのように進化して来て、環境にどのように適応して来たのかということにつながるものです。

皆さんは、ダーウィンやダーウィンの進化論の舞台となったガラパゴス諸島を知っていますよね?ガラパゴスでダーウィンが見たことと同じようなことを私たちは琉球列島で見ています。残念ながら個体数が減少している動物もいます。その保全策を考えることも私たちの大きなテーマとなっています。

今回の震災では多くの方たちの被害とともに、被災地の周りの森林や海やそこに生息する生き物たちも多大な影響を受けています。私たちの研究を役立てる方法を考えたいと思っています。

先生への感想・質問がある場合はこちら
※◎を@に変更してメールをお送りください。
izawa◎sci.u-ryukyu.ac.jp

本人写真

いざわ・まさこ/1954年福岡県生まれ。
琉球列島の独特の動物たちの生態を主に野外で調べています。それぞれの動物の社会、環境の利用の仕方、繁殖のやり方などから、動物の進化と適応を調べています。希少な動物については保全のやり方も考えます。

被災された生徒・先生方へ

世界中の研究者仲間からも、多くのメッセージが来ました。現地にお届けする方法がありませんが、世界中の人が書けるようになった「がんばって」という言葉がどれにも書かれていました。プロフィールにつけていますのは台湾の若いヤマネコ研究者の女性からです。

本サイトは、経済産業省のキャリア教育事業の一環で作成した「わくわくキャッチ!」の独自コーナーとして、河合塾が作成し、運営しています。
Copyright(c)2011 Wakuwaku-catch.All Rights Reserved.
河合塾河合塾