「3.11」を経験した「ゆとり世代」に贈る宿題

関 隆晴   大阪教育大学 教職教育研究開発センター
動物分子生理学、キャリア教育 /研究領域:視物質発色団、ヒトとひと、地域連携学校教育 ]

「今日本で起こっていることを、できるだけ正確に言葉と数字で表現してください」。
これは最高難度の問題です。
あなた達が生まれ、育ってきた今、世界は未曽有(みぞう)の激しい変化の時代にあり、その中で日本は第三の大変革期にあると言っても過言ではありません。

今から約140年前、黒船に扉を叩かれて世界の変化に気づいた日本は、西洋文明を取り入れ、日本人自身の手でそれまでの日本を新たな日本につくり変えました。

今から60年程前、第二次世界大戦に敗れた日本は、廃墟(はいきょ)の中から進駐軍の力を借りて立ち上がり、新たな日本をつくり上げました。

今から20年程前以降、東西冷戦の終焉(しゅうえん)と共にバブルの崩壊した日本は、右肩上がりの成長期から失われた20年と呼ばれる時を経て、新たな時代を模索しています。

その最中(さなか)、2001年9月11日、信じられないような映像が、今世界は新たな戦争状態にあることを世界中の人々に知らしめました。そして2011年3月11日、言葉を失う映像と情報が世界に流れ、自然の力の巨大さと科学技術の未熟さを人類に見せつけています。

数字で発表される亡くなった方、行方不明の方の数。その数1つ1つには、一人ひとりが生まれ、生きた人生が隠れています。その方々も含め、「現在生きている人が創っている時代」を、私は現代と呼びたいと思います。それは、「過去から未来に続く今」であり、「おじいさん、おばあさんが生まれ、あなた達の子どもや孫が生きる時代」でもあります。

ゆとりの中で生きる力を育んできたあなた達「ゆとり世代」こそ、この未曽有の激しい変化の社会の中で新しい時代を創り、あなた達の子どもや孫に、あなた達が享受(きょうじゅ)してきた豊かさと先人の示した人と自然の絆(きずな)を伝える世代です。そのために、時代と世界をことばと数字でできるだけ正確に表現する力を身につけてください。また、自分と他者、自分と社会の折り合いをつける術を身につけてください。それが現代社会を生きる力の源なのですから。

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本人写真

せき・たかはる/1949年広島県生まれ。
家具職人の長男として広島県で生まれる。高校の授業で生命の起源に興味をもち、大阪大学理学部で紫外線や光と生命の関係を分子レベルで研究。大阪教育大学教育学部に着任後、生物学を基盤とした健康科学で人間に関心が広がり、現在は地域連携学校教育によるキャリア教育に関心をもっている。

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