実学(役に立つための学問)の薦め ~もっと危機感を!

江刺 正喜   東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
マイクロシステム

私は中学・高校時代に真空管でラジオを作ったりしていましたが、その趣味の延長で今でも大学で、実際にものを作ることに関係した仕事をやっています。中学時代の先生から「ずっと同じことができて幸せですね」と電話を頂いたこともあり、「オタクあがり」と自称しています。

しかし世の中と関係なく自分の世界にしか興味がないオタクとは違って、役に立つことを中心において、産業につながり人々が幸せに働く場ができるようにと思ってやっています。日本経済新聞社が企業にアンケートして、頼りにできる研究室の第一位に選ばれたのが自慢です(日経産業新聞 H15/12/12「江刺研究室(東北大)評価1位、産学連携特別調査」)。「ニーズに応えて何でもやる」「バーチャルでなくてリアルにやる」「アウトソーシングしないで自分でやる」というのが持論です。教授として人を育てる立場ですので、学生や会社から派遣された人に実際に装置を作ったり動かしたりすることを教え、それを通してもの作りするように変わってきました。

高校時代は大学に入るため、大学時代は就職するためというのではさびしいのではないでしょうか。博士後期課程に進学したり、外国に留学したりする学生も少なくなっています。これではリーダ-が育たないで、混乱した社会になってしまいます。最近は早くから就職活動にエネルギーを使い、決まると勉強しなくなったりもします。皆が同じレベルで就活などの競争ばかりして、自分を磨かないでいます。自信も無く外国人に劣っていると感じても、周(まわ)りだけを見ていると他の日本人学生も同様なので危機感を持たないでいます。

これからは中国やインドなどの国が大きくなって、このままだと日本は世界に貢献できず、尊敬もされない貧しい国になってしまいそうです。グローバルの時代にふさわしい視野の広い人になって、役に立つように自分を磨いてもらいたいと期待しています。

なお私の考えは、下の著書やURLにございます。
「検証 東北大学江刺研究室・最強の秘密」(江刺正喜、本間孝治、出川通 著) 彩流社 2009年 1600円
http://www.mmjp.or.jp/tmc-seminar/column/es-column/es-column.html  技術コラム「若手エンジニアへのメッセージ」 (江刺正喜) 日本情報技術センター

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えさし・まさよし/1949年生まれ。
情報処理する半導体集積回路に、感じるセンサあるいは機械的に動くアクチュエータなどの異なる要素を組み合わせ、高度な働きをする部品を作る研究をしています。具体的な例では、携帯情報機器やゲーム機で動きを検知する入力機器、あるいはプリンタのヘッドのようなものです。

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