今はまだ自分の将来が見えなくても悲観しなくていい

金谷 健   滋賀県立大学 環境科学部 環境政策・計画学科
廃棄物管理論 /研究領域:廃棄物の3R(Reduce、Reuse、Recycle)や適正処理への取組実態の把握、評価・改善策の提案 ]

自分自身の中学・高校時代を振り返ってみると、将来自分に何ができるのか、何に向いているのか、さっぱりわかりませんでした。それが、恥ずかしながら、正直な事実です。でも、一生懸命考えました。考えるだけでなく、日記を書き続けました。毎日は無理でしたが、週末には必ず書き続けました。中学3年から高校3年まで。この、日記を書き続けたことは、自分自身および自分の将来を考える上で、非常に役立ちました。中学・高校時代に自分の将来が見えなくても悲観しなくていいよ。でも考え続けてほしい。そのためには、日記を書き続けるなど、日々の自分の正直な考え・迷いを文章化しておくといい。それが、皆さんへの1つ目のアドバイスです。

自分の将来の方向が見えたのは、大学2年の春休みです。友人とつくった「公害問題のサ-クル」で、「川崎市の公害地帯(工場地帯)で住民意識調査」をしました。担当地区を決めて、川崎の工場地帯を、1週間か10日くらい、歩いて一軒一軒調査票を配りました。そして、川崎に産業道路という幹線道路がありますが、その産業道路が2階建てになっていて(上が高速道路)、そのすみを歩いていろんな家をまわったとき、道路の見事さとそこを通る無数のクルマ、それらとあまりに対照的なみすぼらしい「ウサギ小屋」の数々が、とても印象的でした。それは「日本では人々の生活よりも、産業が優先されている」光景であり、「何かが間違っている」と強く感じました。

後から振り返ると、そのときの「何かが間違っている」という思いが、私にとっての公害問題(環境問題)の「原点」となりました。「原点」という意味は、その後つらいとき、迷ったとき、あのときの光景を思い出すと、自分の進むべき方向が再確認できるという意味です。皆さんにも、そうした「原点」との出会いがあるのでは、と思います。それを大切にしてください。それが、皆さんへの2つ目のアドバイスです。

先生の研究室や活動を知りたい人はこちら
金谷研究室
http://kanayaken.web.fc2.com/index.htm

先生への感想・質問がある場合はこちら
※◎を@に変更してメールをお送りください。
kanaya◎ses.usp.ac.jp

本人写真

かなや・けん/1957年茨城県生まれ。
学生時代(東京工業大学工学部)に、友人たちと公害(環境)問題のサークル活動を始めたことが、結果的にこの道に進んだきっかけです。学生時代は、化学工学・環境工学を学ぶとともに、公害問題のサークルとサイクリング部で活動しました。苦労も多かったですが、充実した日々だったと思います。学費を工面してくれた両親に、深く感謝しています。

被災された生徒・先生方へ

被災された中学生・高校生の皆さん、困難な状況の中で懸命に生き抜いておられる皆さんに、心から敬意を表します。また、今年8月に福島県で開催予定の、第35回全国高等学校総合文化祭(ふくしま総文)が無事開催されることも、切に願っています。

本サイトは、経済産業省のキャリア教育事業の一環で作成した「わくわくキャッチ!」の独自コーナーとして、河合塾が作成し、運営しています。
Copyright(c)2011 Wakuwaku-catch.All Rights Reserved.
河合塾河合塾