生命から社会へ、と学び知った!生きることの喜び

山登 一郎   東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
生物物理学 /研究領域:生命情報科学、生体エネルギー論 ]

なぜ学ぶのか。それは、自分が一体何ものでありなぜ生きているのか、自らの生の意味を納得するためではないでしょうか。生の意味を納得していつも気持ちよく生き抜くために、人生の各岐路における選択を誤らないためだとも言えるでしょう。

私は自分の人生で、どんなことに興味を持ち、何を学んできたのでしょう。例を挙げます。

例1 生命科学を学び、生き物は物質・エネルギー・情報の“流れ”の中に生じたものであることを知りました。空気中のCO2が植物に取り込まれ、食物連鎖で植物→牛→人そして土中や空中に巡り戻る。仏教では縁起や輪廻(りんね)と言われています。私たちも宇宙・自然の一部なのですね。

例2 生命の起源や進化を学ぶと、動物から進化したヒトの本性を理解できます。サルが森からサバンナに出て、狩猟採集するヒトに進化しました。野性動物を狩るためには皆で協力しなければならなかったはずです。つまり、ヒトは協調し他人を思いやることによって自らも喜びを得る動物として生まれたのです。

例3 歴史・社会・人文科学を学び、過去や現代社会体制への批判的理解が深まりました。約一万年前、狩猟採集生活から農耕定住生活に入り、富の蓄積と階層化が生じました。近世の市民革命により個が確立しました。現代ではその延長として個人主義・競争主義が世界を席巻し、ヒトの本性である協調性と矛盾を来たし、人間疎外が甚(はなは)だしくなりつつあります。

では、どうしたら人類はヒト本来の生の意味を納得しつつ喜びにあふれる社会を作れるでしょうか。まだまだ私にも分かりません。でも、例えば、大災害は悲惨ですが、そんな災害時の状況を調べるとユートピアが現れていることを学ぶことができます(レベッカ・ソルニット著『災害ユートピア』)。大きなヒントです。

皆様には、一刻一刻森羅万象(しんらばんしょう)から学び、経験として欲しいと思います。そして、それぞれ自ら生きて良かったと言える人生でありますよう、また世界中の他者も生きて良かったと言える生涯を歩んで欲しいと願い、ご自身がそのために努力していることを喜びと感じられる人生を送っていただきたいと切望します。そうすればこの大震災後の世界といえども、まんざら嫌(いや)な世の中でもなくなると信じます。

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やまと・いちろう/1948年大阪府生まれ。
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