これから日本はどのように変わればよいのか

高木 隆司   神戸芸術工科大学
流体力学 /研究領域:形の科学、デザイン教育 ]

今年3月の大震災の被害を受けた方々、それをテレビで見た方々、どなたも強烈なショックを受けたでしょうね。私もそうでした。しかし、その一方で、これと似た風景を前に見たことがあると感じました。広島に原子爆弾が投下されたとき、幼児であった私は爆心地から約12km離れた田舎に住んでいました。原子爆弾の雲を山越しに見たことを、今も覚えております。終戦から数ヵ月後に広島市内に入ったとき、建物がなくなっており、津波に洗い流されたのと同じような風景を見たのです。

多くの都市が破壊されましたが、戦後の日本は見事に立ち直りました。それには外国の援助があったし、私達の父母や祖父母の世代の人たちが、日本の復興に非常に努力したからです。ほとんどの日本人が、これからの日本は戦前に比べてずっと良い国になると信じていました。将来に希望がもてると、人間はどんな苦労にも耐えることができます。

大震災後の日本も、今までにも増してよい国になると信じたいですね。そのためには、現在の日本の社会や科学技術に、どんな長所と短所があるのかを知らねばなりません。たとえば、災害時での人々の協力体制が賞賛されると同時に、エネルギーの浪費、緊急事態にすばやく対応できないことなどが指摘されています。改善する点がわかれば、将来への希望をもつことができます。

皆さんは、これからの学習で、いろいろな知識を身につけるでしょう。そのとき、ただ知識を得るだけでなく、その知識がどのようにして確立したのか、それは社会とどんな関係があるのかということにも関心をもってください。そうすれば、その知識がどの程度確実なのか、それを将来どのように応用すればよいのかがわかるようになります。この文章の表題は、「どのように変わればよいのか」という疑問文にしました。これからの学習を通して、皆さんに「その答え」を見つけて欲しいからです。

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たかき・りゅうじ/1940年生まれ。
竜巻のような渦の発生や変形の機構を研究し、流れを支配する方程式を導くための原理を追及した。形の科学では、「形」という概念を科学の対象にする方法を追及した。現在は、科学の体験にもとづくアート・デザインの教育方法を開発している。武蔵野美術大学非常勤講師。著書に「理科をアートしよう」(岩波ジュニア新書)、「楽しい数理実験」(講談社)、「形の科学」(海遊舎)

被災された生徒・先生方へ

テレビニュースを見ただけでも、皆様のご苦労は痛いほどわかりますし、復興に向けたご努力には頭が下がります。欲を言えば、東北・北関東から、坂本竜馬のような先を見通せるリーダーが現れることを期待したいと思います。

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