日本を元気にするのはやはり科学・技術。今こそ物理を学ぼう

今井 元   日本女子大学 理学部 数物科学科
半導体デバイス /研究領域:半導体レーザ ]

昨今のマスコミの報道を見ると日本の技術の空洞化が言われています。このことは生産拠点を国内から賃金の安い海外へ移すことがきっかけでしたが、近年は海外特にアジアの攻勢が激しくなっており、別の意味での空洞化が生じ始めているのです。たとえば私の研究分野の半導体では、10年前には世界のトップテンに日本の企業が多数入っていましたが、最近では中国、台湾に押されてきています。この傾向が続くと現在の日本の技術力は高いとしてもすぐに負けてしまいます。

また、これまでの日本の特長は品質の高い製品を大量生産できることでしたが、近年理科離れが進み、理工系への入学希望者が減少し、こうした技術の継承が危ぶまれています。確かに理系関係の雇用はまだ良いのですが、将来を考えると収入、昇進で文系に劣っているとのことが露(あら)わになってからはこの傾向に拍車がかかり、また、少子化の影響もあり、ますます理系への進学が少なくなっています。

最近、物理に関する大きな話題がありました。一つは昨年の惑星探査機はやぶさの帰還であり、もう一つは今年の福島原子力発電所の事故です。成功すれば快挙であり、失敗すると悪と言われますが、はやぶさも何回も失敗の危機を乗り越えてきたと聞きます。ということはこの評価をくつがえし、よくすることができるのは科学・技術の力だと思います。

資源の少ない日本を支えるのは、やはり科学・技術だと思います。とすると、大学進学前からこれに関連した科目の履修(りしゅう)は大切になります。最近物理を履修する学生が少なくなっているとも聞きますが、ぜひ物理を履修して日本のため、世界のために活躍する人になってもらいたいのです。蛇足ですが、物理を学ぶことは原理や真理を追究することに大いに役に立ちますし、ものごとを観測することの楽しみを深めていくと思います。

先生の研究室や活動を知りたい人はこちら
日本女子大学
http://www.jwu.ac.jp/grp/

先生への感想・質問がある場合はこちら
下記HP「Imai Laboratory」に問い合わせ先があります。
http://mcm-www.jwu.ac.jp/~op-qelab/

本人写真

いまい・はじめ/1947年香川県生まれ。
電話・インターネットでは大量の情報を正確に届けることができることで、光を使った方法が現在世界中に普及しております。情報を光にする大きな役割を持つ半導体レーザの研究開発をしてきました。この技術はCDやDVDの発展に貢献しています。

被災された生徒・先生方へ

これから受験を迎える皆様にはとても厳しい環境となりました。一刻も早く安心して勉強ができるよう祈念しております。

本サイトは、経済産業省のキャリア教育事業の一環で作成した「わくわくキャッチ!」の独自コーナーとして、河合塾が作成し、運営しています。
Copyright(c)2011 Wakuwaku-catch.All Rights Reserved.
河合塾河合塾