廃棄物問題と40年。復興は「災害に対応できる町づくり」への道

松藤 康司   福岡大学 工学部 社会デザイン工学科
廃棄物工学 /研究領域:埋立地微生物、資源循環工学、地球環境工学、国際技術協力 ]

私の大学生時代は、1970年前後、水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく、いわゆる「四大公害病」の渦中でした。こうした中で、当時所属していた「薬学」の分野から「工学」の分野、特に「ごみの埋め立て」の研究分野へ飛び込み現在に至っています。「対処療法的」な学問から「原因療法」的な分野に魅力を感じたからです。

それから40年。これまで廃棄物問題に深く係わっている関係で、宮城沖地震、長崎水害そして神戸淡路地震後、「災害廃棄物」の国の調査団の一員として実態調査に参加した経験があります。大都市における大震災廃棄物の危機関連に関する研究も一つのテーマです。今回の大震災は、これまでになく甚大(じんだい)ですが、過去の歴史の検証の中に必ず新たな光が見えるものです。

「ネガティブデータの中に新しい発見がある」。これは、私の研究の方針でもあります。復興の方向性が不透明な下で、日本、そして世界の英知を集めて「災害に強い町づくり」から「災害に対応できる町づくり」へ大きく転換し、長期視点に立ったエネルギー政策、環境政策に少しでも役に立つ学問分野に挑戦したいものです。

若い皆さんはぜひこういう時代だからこそ、今一度冷静に歴史としての科学史をひもとき、自然の厳しさと対峙(たいじ)できる学問分野を探してください。そして「極限の中でも尊厳さを失わない強い心」を育んで欲しいと思っています。

先生の研究室や活動を知りたい人はこちら
福岡大学工学部 水理衛生工学実験室
http://wwwtec2.tl.fukuoka-u.ac.jp/~tc/suiri/new/

先生への感想・質問がある場合はこちら
※◎を@に変更してメールをお送りください。
ymatsufu◎fukuoka-u.ac.jp

本人写真

まつふじ・やすし/1948年福岡県生まれ。
廃棄物埋立(うめたて)地として日本独自の埋立技術「福岡方式(準好気性埋立構造)」の開発と、国際的視点に立っての技術移転を研究しています。また、高齢化社会への対応として「紙おむつリサイクルシステム」の事業化にも挑戦しています。

被災された生徒・先生方へ

人間は、一人一人でもあるいは集団でも重要性を認識して一緒に力を合わせれば、とてつもないことを成し遂げることが出来ます。この未曾有(みぞう)の危機は地球規模のものですが、人知に及ばないものでもなく、また、私たちがくい止められないものでもありません。まず、一歩を踏み出そうではありませんか!!

本サイトは、経済産業省のキャリア教育事業の一環で作成した「わくわくキャッチ!」の独自コーナーとして、河合塾が作成し、運営しています。
Copyright(c)2011 Wakuwaku-catch.All Rights Reserved.
河合塾河合塾