能力を高めておけば就職難もこわくない。夢に挑戦しよう!

伊藤 智夫   北里大学 薬学部
薬学 /研究領域:薬剤学、薬物動態学 ]

薬に関する研究の醍醐味(だいごみ)は、新しい薬を世に出すことで多くの命を救えることです。私の専門分野は、薬の種となる化合物をヒトに投与したときの体内動態を、試験管内の実験データとコンピュータを使って予測する研究です。近年、薬の飲み合わせによる相互作用が問題となっていますが、我々が開発したモデルを使って、複数の医薬品を併用(へいよう)したときの相互作用を予測する研究も行っています。

医薬品の開発はグローバル化が進んでおり、日本で見つかった薬が世界中で使われる時代になっています。薬の種を見つけ、医薬品にするための研究・開発を行い、実際に市場に出すという全てを自国で行える国は、世界の中でもアメリカ、イギリス、フランス、ドイツそして日本の5カ国程度です。その点では、日本は医薬品の研究をするには非常に恵まれた国だと思います。

私は30年ほど前に、大学院・修士課程を修了後に製薬会社の研究所に就職しましたが、その時に開発を担当した2つの製品が現在でも使われており、誇りに思っています。当時は、日本の製薬企業が海外へ進出し始めた時期でもあり、入社して間もない私も、欧米企業との会議に頻繁(ひんぱん)に参加しました。その際に痛切に必要性を感じたのは、語学力と博士の学位でした。その後、いろいろな経緯がありましたが、製薬会社を辞(や)めてアメリカの大学院に入学して博士の学位を取得し、さらに博士研究員として働いた後、現在の大学に就職しました。

日本とアメリカで働いて感じたことは、自分の専門を究(きわ)めるためには、様々な経験を積んで視野を拡げる必要があることです。また、たとえ会社が潰(つぶ)れても、能力のある人には必ず他の会社から声がかかることを見てきました。就職難の時代と言われますが、自分の能力を高めておけば必ず仕事があると信じていますし、自身も常にそうありたいと思って毎日を過ごしています。若い皆さんは臆病(おくびょう)にならずに、自分の夢を追いかけて下さい。

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いとう・ともお/1956年宮城県生まれ。
日本の大学・大学院で学んだ後に製薬企業に勤務し、さらに米国の大学院で学位取得・博士研究員として働いた後、現在の大学に勤めています。良い医薬品となる化合物は、溶解性、生体膜透過性、代謝安定性など “薬物らしい” 特性を持っています。そのような特性をもとに、体内動態を予測する研究を行っています。

被災された生徒・先生方へ

私は宮城県仙台市の出身のため、多くの知人が被災しました。復興には相当の時間がかかると思いますが、この震災を風化させずに、できる限りの支援を続けてゆきたいと思っています。

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