学ぶとは、自分が社会で役立つチャンスが与えられること

荒川 雅生   香川大学 工学部 信頼性情報システム工学科
最適化工学 /研究領域:多目的最適化設計・満足化設計、ファジイ理論、ヒューリスティックサーチ ]

私が自発的に「学び」出したのは、大学院に入ってからです。卒業研究のテーマ決めの際にジャンケンに負け、他のゼミ生が敬遠したテーマになりました。それが「最適化」という学問との出会いでした。

最適化は、最も合理的な結果を導くためのツールです。例えば、省エネのため自動車は軽量化が必要不可欠です。安全性を考えるとむやみに軽くすることはできません。そんな時に最適化をはかることで、合理的に軽量化をはかることが可能です。最適化を実用化するためには様々な課題が指摘されています。その課題に対し、自分が考え付いた工夫で解決していくプロセスが実に楽しく、気が付いたら必死になって学ぶようになっていました。

2004年にニューヨークのコロンビア大学に新しい教育方法の調査のために2カ月間滞在することがありました。その時にInternational Houseに宿泊しました。ここは、ニューヨークにある大学の大学院生の寄宿舎や、短期滞在の教員のアパートなどが集まる複合施設です。そこには、世界各国から志をもった学生が集まり、みんなが自分の勉強していることや夢を語り合います。どの子も、自分は一生懸命勉強して、国に帰って国の発展に貢献するのだという意識を持っていて、目がランランと輝いていました。

ネパールから来た青年に「あなたが研究している最適化は日本のためにどういう貢献をしているのですか?」と聞かれたとき、はっとしました。「日本のために」などと言うことは今まで考えたことさえありませんでした。その青年は、水力発電の勉強をして、国に帰ってダムを造って、ネパールに産業を興すと語っていました。このまっすぐでピュアな問いかけ以来、自分が考えた方法を実際に産業界で使っていただいて、少しでも問題解決の役に立つことが必要だと意識を持つようになりました。

学ぶこと、それは社会の中で役立つチャンスを自分に与えてくれることだと、今は思っています。

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あらかわ・まさお/1964年生まれ。
工学分野における様々な問題を多目的最適化を通じて解決するための手法の開発を行っています。現実の問題は様々な複雑さがかみ合っていて単純に最適化が入り込むことはできません、でも、必ず切り口があって入り込むことができて実に面白い研究分野です。

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