ハケンを解雇され自分が本当にやりたいことを考えた
垣花 渉 | 石川県立看護大学 看護学部 看護学科人間科学領域 |
私は現在の仕事に就く前、ハケンという非正規雇用で働いていました。その間、たくさんの論文を書き、研究発表を行いました。しかし、ある日突然雇用が切れ、働く場、仕事、信頼を失い、社会に一人取り残されたこれまで経験したことのない喪失(そうしつ)感を味わいました。
しかし、このような試練は「人生とは、仕事とは何か?」を改めて考えさせるきっかけを与えてくれました。仕事を探しながら、本や新聞を読んで世の中の動きを察し、まわりの人と話しをして自分の歩むべき道を考え続けました。これまで自分が学んだ運動や栄養の教養や知識を、人のライフスタイルを豊かにすることに活かしたい!そのためには、生活に関わる環境、労働、医療など自分の専門分野以外の勉強もして視野を広げなければいけない。だから、机に座ってモノを読み・書き・考えることも大事だが、外の世界へ足を運び、自分の意見をわかりやすく伝え、相手の意見を丁寧に聴き、意見や立場の違いを理解して自分の意見を再び伝えるというコミュニケーションは、もっと大事ではないのか?の考えに至りました。その結果、いろいろな世代や職種の人と関わりあいながら、培(つちか)った知識や技術、経験を活かして人のカラダの内と外を看て、健康な人生や生活の道しるべを提案でき、そのような医療従事者を育てたいと思うようになりました。
私は、看護の対象者を病院や施設の患者様だけでなく、家庭、学校、職場など地域で暮らすすべての人ととらえています。したがって、大学生自らが地域社会へ出向き、社会の現状をよく見て、社会の課題や問題点を抽出・整理し、それを解決するための案を考えるという「フィールドワーク」は看護学生にとってきわめて重要であると考えています。そして、このような過程を通じて人間の健康を考えられる看護職者を育てたいと思っています。「人生とはまわりの人に支えられて存在し、仕事とはそれに対する恩返しである」が持論です。
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