ChangeをとらえてChanceを見出す。それこそ理系

竹本 佳弘   東京医科歯科大学 国際交流センター
創薬科学 /研究領域:分子生物学、生命科学 ]

「世の中に、そんなにおもしろいものがあるのなら自分もやってみたい」と、駄目(ダメ)学生であった私は、研究へ打ち込む恩師の姿と情熱に心動かされ、生命科学研究の門をたたくことになった。研究は地味でなかなか成果が出ないものの、たまに良いデータが出た時は飛び上がるほど嬉しいものである。一喜一憂する日々を過ごしながら、生命科学の不思議な世界に魅了されていった。そんな中、いつしか研究が社会とどのようにかかわってくるのかという質問を自ら問うようになった。そこで研究以外の社会も見てみようと思い、思い切って研究の世界を飛び出してみることに。社会では企業を通して医薬品開発のプロジェクトマネジャーやバイオベンチャー企業の役員・社長の経験を積むことで、研究(分子の世界)の成果を社会で役立てる(患者さんへの治療の提供)のに必要となる仕事を一通り実践してみた。この話題はどこかでお話しするとして、ここではその中でも特に記憶に残っている話題をひとつ紹介したい。

会社である大型プロジェクトが失敗した時に、その後任の席が自分に回ってきたことがある。多くの人は駄目だと思っていたので、後任の私は冷笑や同情の対象に。それでも私にはそのプロジェクトがとても興味深く思えたので、失敗の原因を調べながら思い切った策を次々に試してみた。その時に研究者の頃に失敗の原因をいろんな角度から考える訓練を積んでいたことが役立った。また海外の人と一緒に仕事をした経験も、国際的な立場で物事を考えるのに役立った。大きな失敗の後には実は様々な機会が隠されているが、ほとんどの人にはその機会が見えない(見ようとしない)。理系で様々な角度から考える癖が付いていたので、目の前の機会をはっきりと認識することができた。もちろんプロジェクトのほうは、無事に不死鳥のごとく復活させることができた。

今の日本は、私たちの想像を超えた大きなChange (変化)が起こっている。厳しい中にあっても、この変化を多様な視点・価値観により冷静に見つめて、その中から少しでも将来のChance(機会)を見出せるように立ち向かっていきたいもの。Chan“g”e +「J」(皆さんの力)= Chan“c”e(gをJパワーで乗り越えてcに)である。中高生の皆さんには、理系で学ぶ魅力には、研究以外に将来を切り開くための問題解決能力を身につけることができることも、この場を借りて伝えることができればと思う。

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たけもと・よしひろ/1957年大阪府生まれ。
研究と社会とのかかわりに興味を持ち、基礎研究から人の臨床研究まで、自らのキャリアを使って取組んできました。大学では創薬の専門教育、学生のコミュニケーション力強化、大学の国際化、大学院教育改革などに取り組んでいます。音楽、料理、写真、旅行など多趣味。チャンスを生み出す方法を考えるのも趣味です。Facebookもぜひご覧ください。
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