仙台のケヤキ並木も戦後復興の都市計画で生まれた

岸井 隆幸   日本大学 理工学部 土木工学科
都市計画 /研究領域:都市計画制度、都市開発事業、都市交通計画 ]

街の計画をたて、実際に街を創ってゆくことを「都市計画」といいます。私は都市計画の専門家として、東日本大震災で被害を受けた街の復興のために何ができるのか、何度も現地へ足を運んで現地の方々と話し合いながら計画を練っています。こうした悲劇を二度と繰り返さないためには、どういった街に創り直せばよいのでしょうか。波を防ぐ防波堤、防潮堤、防潮林はどれぐらいの規模のものをどういう形で創ればよいのでしょうか。高齢者の方も含めて、安全に避難するために道路や避難場所をどこに用意するべきでしょうか。確実に避難を誘導する方法はないのでしょうか。そして防災施設と避難計画を組みこんだ美しい都市を導くには、どういうルールを守ればよいのでしょうか。こうした課題に真剣に取り組んでいます。

日本は四季がある美しい国ですが、同時に、地震や台風も襲ってきます。そして、これまで何度となく大きな災害を経験する中で、様々な工夫を重ねてきました。今回これだけ大きな揺れがあっても、実は最近できた構造物・建物はあまり壊れておらず、あの猛スピードで走っている新幹線も、すべて無事に停車し、一人も死者を出すことはありませんでした。防災技術の積み重ねが、安全・安心の街を支えているのです。

また、東北地方の中心都市、仙台にはとても美しいケヤキの並木が沢山あります。「杜(もり)の都、仙台」とも呼ばれています。このケヤキ並木がどうやって生まれたか知っていますか?あの並木は戦争の後、焼け野原になった仙台に復興の都市計画を立て、道路を拡幅し、そして50年前に細いケヤキを植えたところから出発しています。今のケヤキ並木は全て復興の中で創りあげたものなのです。

もうケヤキ並木抜きの仙台市は考えられません。街を創るということはそういうことなのです。東北地方の沿岸部にも美しい港や松原がよみがえり、大漁旗がいくつも大きくはためく日を、一日も早く迎えたいものです。

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きしい・たかゆき/1953年兵庫県生まれ。
安全で、安心して暮らせる、美しい街を創る方法について研究しています。(社)日本都市計画学会会長、東京都景観審議会会長、内閣府中央防災会議専門委員

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