農林水産業がなかったら、食べ物は無くなる!

柴山 善一郎   高知大学 農学部 農学科 森林科学コース
(小面積の)私有林の経営 /研究領域:「さし木ひのき」の森づくり、家族で行う小さな小さな林業、木の姿や形の良いものを手っ取り早く選ぶやり方 ]

農林水産業(農業・林業・漁業・畜産業)は日本では人気のある産業ではありませんが、わたしたちの生活に必要な米や麦、野菜、果物、魚介類などの食べ物や生活必需品を生産してそれらを供給する重要な産業です。「農は国の本なり」という言葉があるように昔の日本人はその大切さをよく知っていました。現在の日本では農林水産業の位置づけが小さくなり、その言葉もあまり使われなくなり、さびしく思っています。

わたしはその中の林業分野で「小さな小さな森づくり」について関心を持ち仕事をしております。林業に従事している人々が心も懐(ふところ)も豊かになればと願っています。中高生のみなさんが農林水産業にいくらかでも関心を持っていただければうれしいです。

ところで、中学校や高校の授業は楽しいですか?面白いですか? 大部分のみなさんからは「それはどうかなあ」とか「あまり楽しいと思わないです」とのお答えが返ってきそうです。

みなさんにお伝えしたいことは次の一言につきます。
今の学校の授業を真剣に聞いてください。授業のすべての内容が分からなくても良いのです。ただ学校の先生のお言葉に、真剣に耳を傾けてみてください。みなさんには得意の科目や不得手な科目などいろいろとあるでしょうから、気持ちがのらないこともあるでしょう。ゴチャゴチャ考えずに、熱心に聞いてみてください。そうすることで集中力もつくと思いますし、思いがけないときに道が開けてくると思います。ものはためしで、一度やってみてください。できれば長く続けてみてください。

最後になりますが、中高生のみなさんがそれぞれのご自分の進む道が見えてきたら、その夢の実現に向けて取り組んでいただければうれしいです。そして幸せになってください。

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本人写真

しばやま・ぜんいちろう/1952年福岡県生まれ。
わたしは幸運にめぐまれて大学教員にしていただきました。何事にしてもそうですが、希望通りにならなくても 与えられたその場、その場でやるだけやってみることが大切ではないでしょうか。その姿を見てくださっている方が必ずおられます。そういう世の中であってほしいです。趣味はお茶を飲むことや日本庭園を散策することです。

被災された生徒・先生方へ

みなさまにはつらいお気持ちで不自由な日々をお過ごしのことでしょう。このようなときこそ本当に必要なもの 大切なものの姿がくっきりと見えてくるのではないでしょうか。発明が必要なところから生まれるように「満ちあふれた世界」から良いものは生まれないような気がしています。わたしは多くの福の神さまには被災地をもれなく訪れていただき、長逗留(ながとうりゅう)していただけるように祈っています。そして、みなさまこそが福の神になって下さい。

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