学んだ知識・経験は、何があっても消えない財産

渡辺 雄一郎   東京大学 教養学部 生命・認知科学科
植物環境応答学 /研究領域:遺伝子発現制御からみた植物の姿、小分子RNAによる生物現象の多様性創成、環境ストレスと植物の成長 ]

3月11日の東日本大震災で、通常の生活を過ごせない方、以前のように落ち着いて物事を考えることができない方がいるかもしれません。多くのひとが車や家、パソコンなどを失いました。被災地以外の方でも、想定外という言葉を聞いて、世の中すべて意味がないと思ってしまった人もいるかもしれません。

でもそうでしょうか。りっぱに残っているものがあります。それは一人一人がもつ、見えない財産である知識や経験です。それは決してお金で買えません。学んだものが非常時に人のために役立ったし、どんな状況でも生き続けているのです。困難を伴(ともな)っても、学んだ知識は消えるどころか、苦難をバネに皆さんを飛躍させようとしているのです。学んで得たもの、それは一生の財産となり、独(ひと)り立ちした際どのような困難の中でも、あなた方をうちからサポートして入れる頼りがいのあるものとなるのです。

研究においても、「そんなことはできっこない」といわれつつ、継続することで人にできないことが達成されることがあります。持続は大事です。それまでとちがうことを行なったり、それまでと異なる見方をあてはめてみると、新しい発見ができることがあります。逆境におかれても、未来を見すえて進んで行こうではありませんか。必ず道はつながっていると思います。

植物はこの状況でも、例年と変わらず、きっちりと季節の変化を感知して、花を咲かせ、葉を広げているのです。嘆き悲しんで行動を起こさないのは、自然の摂理(せつり)にむしろ反するのかもしれません。自然のサイクルに則(のっと)った農業、漁業は、早く季節のサイクルに合わせて動く必要がありそうです。生命の基本原理の理解は、近い将来この自然のサイクルのなかにおける植物の生育、農業のあるべき姿を教えてくれると思って研究をすすめています。

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わたなべ・ゆういちろう/1958年東京都生まれ。
植物は周囲の環境変化や、侵略する生物を感知し、反応をします。こうした植物の隠れた能力をみて興奮しています。植物の秘めた能力を明らかとし、農業の場面で活かしていきたいと思う。岩手県では生物工学研究センターの研究推進委員として、他県でも種々の共同研究で農業を通じて、すこしでも東北地方の復興に寄与したいと考えています。

被災された生徒・先生方へ

皆さんの勉強への意欲がこの震災によって妨げられることがないことを願うばかりです。皆さんが何とか困難な状況を乗り越え、意欲を持ち続け、願いを果たしていただきたいと思います。

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