教科書で学んだ知識と想像力の総動員が未知なるものを解明

粟木 久光   愛媛大学 理学部 物理学科
X線天文学 /研究領域:活動銀河核、X線望遠鏡 ]

身のまわりには電子機器、様々な乗り物など多くの便利なものであふれています。テレビ、パソコン、電車など生活に欠かせないものです。これら便利なものの多くは科学技術の進歩によってもたらされており、これらを使いこなしたり、より便利なものを作り出すには、その基礎となっている数学・理科がかかせません。また、問題が生じたときに正しく対処するには、正確に状況を把握するための知識と考え方が必要です。最近のニュース等をみると今まさに求められていることがわかります。学校で基礎となる知識をしっかり学ぶことが重要になります。

自然科学の研究も上の例と似た面があり、基礎となるのは皆さんが教科書で学んでいる知識です。ただ、大きな違いもあります。それは、研究対象が人間の作り出したものではなく、未知なるものであるということです。そのため、研究には、自分たちの持っている知識を総動員する必要があります。私は宇宙から飛来するX線を通して活動銀河核の研究をしており、活動銀河核の観測データを天文、物理、数学などの科学知識を使い、その解明を試みています。まさに、知識と想像力が試されます。

研究を進めることで新しい発見もありますが、また新たな疑問も生じます。この疑問を解明するために、新しいより高精度の観測装置が必要となります。X線天文の分野では、現在活躍中の「すざく」衛星の後継機として、より優れた検出器を搭載予定の「ASTRO-H」衛星が計画されています。この衛星を使うことで、現在、謎である事柄が解明され、人類の宇宙に対する知識が増加するものと思います。

学校で学んだ内容は身のまわりのさまざまなものや研究などの基礎となっています。学校でしっかり勉強し、その知識をいかせるように深めていってください。必ず、自分の世界が広がります。

※ JAXAのX線天文衛星計画はhttp://www.isas.jaxa.jpからたどることができます。

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あわき・ひさみつ/1963年石川県生まれ。
宇宙から来るX線を使って、宇宙の活動的現象、特に活動銀河核の研究を行っています。一つの現象をより正しく理解するには、できるだけいろいろな角度から見る必要があります。X線は高エネルギー現象に付随して放射されるため、宇宙で生じている活動的な現象を観測するのに適しています。宇宙X線を使うことで活動的な現象が宇宙の様々な構造形成や進化にどのように関わっているか研究しています。

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