一流研究者が贈るメッセージ「大学選びの新たな視点~学部の名前だけでは選べない」指導例
掲載研究者指導例
書籍『ポスト3・11 変わる学問』
「研究者からのメッセージ」を活用した進路学習の指導例
書籍『ポスト3.11 変わる学問』による「学問への誘い」としての進路指導と課題研究
進路や進学の指導は、「大学で何を学ぶか」「社会でどう働くか」を生徒に考えさせていく中でこそ、有効性を発揮すると言われます。『ポスト3・11変わる学問』には、34人の一流研究者による、それぞれの学問分野からの熱いメッセージが書かれています。生徒を学問へ誘う進路指導としての課題研究活動に最適です。

指導例1 「総合的な学習の時間」の課題研究で
「総合的な学習の時間」等で課題研究を行う学校が増えていますが、課題研究の難所は生徒がどのようなテーマで研究するかを決定することです。
本書には、様々な分野の34人の研究者が登場し、震災後学問の現場で何が起きているか、学問や大学教育の課題がわかりやすく書かれていますので、授業の導入に有効です。
大学の学びをリアルに感じ、大学への興味を高めることにも効果的です。
  掲載研究者のリスト(PDF)

課題研究に取り組むことで、自分で手を動かして研究を進める経験をするとともに、学問への興味や関心が深まります。
そこから、どのような大学がよいのかなど、大学選択や進路への方向性も生まれます。
また、課題研究論文で学んだことは、AO入試や推薦入試に活かすこともできるでしょう。

授業での展開例(全10回程度で実施)

本書にインタビューを掲載している34人のリスト(リストはこちら)を配付。
興味や関心を持った学問や人の中から、課題研究として取り組みたい学問や人を第3希望まで選ばせ、選んだ理由や取り組んでみたいテーマを書かせます。
例)放射線生物学

生徒の希望を元に3~4人のグループに分かれます。各グループ内でなぜこの学問や人に興味や感心を持ったのか、何を調べたいのかなど、グループのテーマを決めます。
例)放射線が生物に与える影響にはどのようなものがあるか調べたい

各グループで研究方法を話し合います。決めたテーマについて書籍やホームページを探し、それをもとに勉強会を進めます。
例)化学や物理や生物の教科書、放射線に関する新書

研究途中ではフィールドワークとして、この分野の大学の研究室を訪問したり、長期休業を利用してサイエンスキャンプ(※)に参加したりして研究を深めていきます。
※独立行政法人 科学技術振興機構が主催する、高校生を対象とした最先端の科学技術を
   直接体験して学び合う科学技術体験合宿プログラム

グループごとに研究論文を作成させます。最後にクラス全体の前でグループごとにプレゼンテーションを行い、他のグループの研究について質問や感想を話し合います。


指導例2 文化祭のホームルーム展で
本書には、東日本大震災の復興支援などで実際に活動を行った様々な学問からのアプローチが紹介されています。これを使って、文化祭のクラスごとの企画展などで、日本の復興と学問の社会的意義を考えさせることができます。

展開例【テーマ:東日本大震災からの復興】

本書が提案する視点(5つの視点=章)からいくつか選び、クラスをグループに分けます。(この例では4つ)。各視点=章の中から東日本大震災の復興支援に取り組んだ研究者たちの具体的な取り組みをまとめ、さらにそれに関連して自分たちが調べたことをまとめたパネルをグループごとに作成します。

教室に4つのブースを設け、パネルを展示します。来場者に解説できるように原稿等を用意します。

来場者用に、震災からの復興と新しい日本作りについて考えさせるクイズ形式のシートを配布し、パネルを回りながら、記入してもらいます。(例えばブース1では、「津波と高波の違いは何でしょう」「津波の速度はどれくらいでしょう」など)。最後に来場者が答え合わせをできるようにします。


教室配置図(例)
※クリックすると拡大します。
ホームルームの参考図書や進路講演の講師にも
  • ホームルーム教室や進路指導室、図書館で、進路学習用の参考図書として最適です。
  • 進路課や学年で発行する進路通信、ホームルーム通信の題材として扱うことができます。
  • 進路講演の講師や講演内容、テーマ選定の参考資料として使うことができます。

指導例3 ホームルーム活動でキャリア教育
「東日本大震災 復興と学び応援プロジェクト」のサイト『今こそ、学問の話をしよう』では、文系・理系の200名以上の様々な分野の研究者が、学問を紹介しつつ社会的な意義、学ぶ意義について語っています。研究のおもしろさ、研究者の考えや人となりを通して、学問が広く社会で役立っていることを知り、進学する意味を確認するのに有効です。ほとんどのメッセージに、研究室のホームページや研究者個人のアドレスが掲載されているので、興味を持った研究者に対して実際に質問や感想をメールで送ることもできます。

授業での展開例(1回50分授業での実施)

事前に右記ワークシートのQ1、Q2の設問に回答し、自分が将来どのようなことを学びたいかをまとめておきます。

コンピュータールームで2人1組になり、『今こそ、学問の話をしよう』サイトで研究のフィールド(「いのちを守る」「社会の基盤を考える」などの10分類)、または所属学部から研究者を興味や関心を持った研究者のメッセージを選択して読ませます。お互いの選んだ研究者のどんなところに興味を持ったか、話し合わせます。

自分が読んだメッセージからわかった学問や研究のおもしろさ、興味を持ったこと、研究者のキャリアなどについて感想シートに記入させます。質問や感想を直接研究者に送るよう促します。

クラス全体で感想を発表し、どんな感想を持ったかを共有します。


  右記ワークシートのダウンロードはこちらから(PDF)
「大学研究の方法を知ろう」ワークシート

実際の授業での生徒の感想(県立普通科高校1年生)

  • 今まで大学の先生は遠い存在だったが、すごく身近に感じられるようになった。学問や研究は必ず生活につながっていることがわかった。
  • 1つのことをつきつめるのは、決して楽ではないけど、とても楽しくすばらしいことなんじゃないかと思えた。
  • 未知の分野に踏み込む勇気、結果が出るかどうかわからないところに自分の人生をかけられるのはすごい。夢を持つことはかっこいいと思った。
  • 高校は誰もが同じ勉強をするけれど、大学は人とは違うことをするところだとわかった。ぼくもこんなふうに学問を追及したい。
  • 研究って難しいものばかりと思っていたが、食品など身近なものにも関係しているところがすごい。そういう研究こそ人の役に立つんだ、私もやりたいと感じた。


本サイトは経済産業省の委託により、「キャリア教育と理系の魅力」の情報発信のために、学校法人河合塾が作成しました。
Copyright©2012 Ministry of Economy, Trade and Industry.All Rights Reserved.
河合塾