インタビュー4:「空間認識」技術を製品に活かす仕事

インタビュー4 : 「空間認識」技術を製品に活かす仕事

水上 学(ミズカミ マナブ)さんに聞く 株式会社内田洋行

最新の「空間認識」技術を、製品に活かせるように研究しています

どんなお仕事をしていますか?

部屋に人がいない時、照明が自動的に消えたら、とても便利だし、エコですよね。部屋の中に人がいるのか、いるなら何人いるのかといった「空間認識」はセンサーで行うのですが、従来は人がいても動いていないと、照明が消えてしまうことがありました。それを解決するためにウェブカメラも使おうと、ウェブカメラで撮った画像をコンピュータで解析(かいせき)して、それが人であるとか、これはモノであるとかいった判断をする画像認識技術の研究をしています。たぶん皆さんも、カメラのモニターに写るといやでしょう。だからモニターに写らなくて、「○○さんはここにいます」とか「この部屋では何人が会議をしています」といった情報だけ伝える仕組みを作っていこうと思っています。

大学などで勉強してきたことは、今につながっていますか。

大学では機械学科にいて、モノがこわれるときに内部にかかる力を計算する研究をしていました。たとえば柱や壁などの表面にひび割れが入っても中は見えないので、表面のひび割れの大きさなどから、内部にどのくらいの力がかかっているのかをコンピュータで計算するのです。だから、コンピュータと数学には強いんです。それが今の仕事にとても役に立っていると思います。

この仕事をしていて、うれしいことは何ですか?

難しい技術や新しい技術に取り組むとき、「それは無理じゃないの?」と言われたことを「できます!」とやらせてもらって、試行錯誤(しこうさくご)の結果できたときには、うれしいですね。ボクは、「ポジティブシンキング」なので、困ったことも乗りこえられたらおもしろいだろうなあと思って仕事をしています。

これからはどんな仕事をしたいですか。仕事での夢は何ですか?

空間認識のシステムは、今はまだ構想段階ですので、それを本当に実現したいですね。また、空間認識で人がいることがわかるなら、たとえば防犯などセキュリティに使えるんじゃないかと思います。そういった他分野での活用もできるような空間認識のシステムを作っていきたいと思っています。

みちのり

中学生のボク

小さい頃から、工夫して何かを作ることが好きで、家にある材料でモノ作りをしていました。暗記物が苦手で、数学などの公式も覚えるのが大変でしたが、先生に「公式は覚えないで、公式を導き出すようにしなさい」と言われました。丸暗記するのではなく、公式を導き出すこの方法は理論的思考の私にはマッチしていて、今まであまり好きではなかった数学が好きになりました。部活はサッカーでした。

高校へ

中学から内部進学でそのまま高校へ進学。高校ではラグビー部。「部活にだけ生きてるよね」と言われていたほど、部活に熱中しました。

大学から就職へ

モノづくりをしたかったために機械学科へ進学。大学院生になってからは、研究室に泊まってずっと研究を続けていました。大学4年でプログラミングを勉強し始めて、ゼロから組み立てて動くのを見るのが楽しくなり、プログラミングをする仕事をしたいと思いました。それで、自分のしたいことのできそうな内田洋行に入社しました。

プロフィール

水上 学さん

株式会社内田洋行 マーケティング本部 次世代ソリューション開発センター。
現在、SPT(スーパープログラマーチーム)に所属。

1979年生まれ。趣味はクライミング。休日は1日中クライミングで汗を流しています。

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